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射出成型机の知识

1.射出成形とは射出成形(Injection Molding)とは、加熱溶融させた材料を金型内に射出注入し、冷却・固化させる事によって、成形品を得る方法です。

複雑な形状の製品を大量に生産するのに適し、成形加工の一大分野をなしています。

射出成形の工程は大きく分けて、6つあります。

1.型締め(合模)2.射出3.保圧4.冷却5.型開き(开模)6.製品の取出しの順序で行われ、このサイクルの繰り返しで、製品を連続的に生産できます。

2.射出成形機射出成形機は型締ユニットと射出ユニットに分かれています。

型締ユニットは金型の開閉、突き出し(エジェクター)を行い、図のようなトグル式(连杆式)と、油圧シリンダー(机筒)で直接金型を開閉する直圧式とがあります。

射出ユニットは樹脂を加熱溶融させ、金型内へ射出します。

スクリュー(螺杆)を回転させ、図のようにホッパー(料斗)から投入した樹脂を、スクリュー前部へ溜め(計量と呼びます)、必要樹脂量に相当するストローク(击打)溜めた後、射出します。

樹脂が金型内を流動している時は、スクリューの移動速度(射出速度)を制御し、樹脂が充填された後は圧力(保圧力)で制御します。

速度制御から圧力制御への切換えは、一定のスクリュー位置や一定の射出圧力に達した時に切換わるよう設定します。

タイバー拉杆クロスヘッド直角解套エジェクター脱模机构シリンダー(机筒)ホッパー(料斗)スクリュー(螺杆)実際の動きを観てみたい場合はここをクリックしてください⇒3.金型金型(Mold)とは、材料樹脂をある決まった形状にするため、樹脂を射出注入する金属製の型です。

図には記していませんが、実際には幾つかの孔が空いており、温水や油、ヒーター等で温度管理されています。

溶融した材料はスプルー(注射塑模内主流道)から金型内に入り、ランナー(分流道)・ゲート(浇口)を経てキャビティ(前模)内に充填されます。

その後、冷却工程を経て、金型が開き成形機のエジェクタロッド(顶出杆)に金型のエジェクタプレート(顶板)が押されて成形品が突き出されます。

エジェクターピン(顶针)キャビティ(前模,模腔)エジェクタロッド(喷射器杆)エジェクタプレート(顶板)スプルー(注射塑模内主流道)ランナー(分流道)・ゲート(阀门)実際の動きを観てみたい場合はここをクリックしてください⇒4.成形品成形品は、溶融樹脂が流れ込むスプルー、キャビティ(模腔)へ導くランナーと製品部分から成っています。

1回の成形で製品が1つしか得られないのは効率が悪いので、複数のキャビティがランナーで結ばれ、通常複数個が同時に成形できるようになっています。

その時、各キャビティでランナーの長さが異なると、樹脂が同時に充填されず、キャビティ間で寸法や外観、物性が異なることが多くあるため、通常同じ長さのランナーに設計します。

5.再生材(回料)の使用成形品のうちスプルーとランナーは、製品ではありません。

この部分は、廃棄される場合もありますし、細かく砕かれて再び成形用の材料として再利用される事もあります。

これを一般に再生材と呼んでいます。

再生材は、単独で成形用の材料として使用される訳ではなく、通常のペレット(新料)に配合して使用されます。

これは、一度成形の工程を経ているため、樹脂の様々な特性が変化している可能性があるためです。

再生材の配合割合は30%程度が上限です。

あまり配合割合が高いと、樹脂本来の性質が損なわれてしまう可能性があるためです。

再生材を使用した場合の、特性は樹脂データベースの再生特性をご覧ください。

ジュラコンの再生特性を見る⇒6.成形条件成形条件とは、必要とする成形品を得るために設定する成形機のシリンダー(料筒)温度や射出速度、金型温度などのことで、その組合わせは無数にあります。

その条件によっては得られる成形品の外観や寸法、機械的物性等が変化するため、最適な成形条件を出すのには習熟した技術と経験が必要です。

当社材料の標準的な成形条件をご紹介します。

下の樹脂名をクリックしてください成形機用語:(あ行)圧縮成形アニーリング(退火)アフタキュア(后固化,后硫化)アンダカット(下切,咬边)インジェクション(注射)ブロ-成形インフレーション法(吹塑法) ウェルドマーク(焊接痕) 押出機(か行)ガイドピン(定位销)ガイドブッシュ(导环)型締時間型締力型内圧力型開き力可動盤金型加熱シリンダ(加热机筒)キャビティ(模腔)強化プラスチックき裂(龟裂)ゲート(浇口)硬化硬化剤合成樹脂固化固定盤コールドスラグ(冷块)コンパウンド(复合物)(さ行)射出圧力射出成形射出成形機射出速度収縮充てん剤条こんショットシリコーンゴムスクリュスプルスプルブッシュ成形成形圧力成形温度成形サイクル積層成形(た行)ダイタイバタイバ間隔ダイプレート多数個取り金型突き出しデイライトトグル式型締機構トランスファ成形(な行)ノズルノズルタッチ熱可塑性エラストマー(は行)背圧発泡成形パーティングラインバリピンホールBMCフェノール樹脂ブッシュプランジャブロー成形ベント式(ら行)リブLIM射出成形不良発生時の対策ガイド不良現象原因対策シルバーストリークス成型品表面に樹脂の流動方向に沿って生成する銀条痕で、これは成型品表面をガスが走った跡である成形条件シリンダー温度が高いノズル温度が高い射出速度が速い可塑化工程で空気の巻き込みがある成形サイクルが長く、シリンダー内での樹脂の滞留が長いシリンダー温度を下げるノズル温度を下げる射出速度をおそくするスクリュー回転数を下げる背圧をかける(10_20Kgf/c_-G)ホッパー側のシリンダー温度を高くする可能な限りシリンダー温度を下げる容量の小さい射出成形機で成形する金型金型のガス抜きが不充分金型にガス抜きをつける製品設計ゲートが小さいため摩擦発熱があるゲートを大きくする樹脂材料の粒形が小さい材料中の水分率が高い粒状の小さな材料(特に粉砕品)を混入しない材料の予備乾燥を充分に行う(0.1%以下にする)フローマークゲートを中心に発生する細かい円弧状の波紋成形条件金型温度が低い成形温度が低い射出速度がおそい金型温度を高くするシリンダー温度を高くする射出速度をはやくする製品設計ゲート数が少ないゲートが小さいランナーが小さいゲート数を増やすゲートを大きくするランナーを大きくする樹脂流動性が足りない流動性の良いグレードを使用す(グレード選定の不適切)るヒケキャビティに充填された樹脂が冷却の不均一により体積の収縮差を生じ、表面がくぼんだ状態となる成形条件成形温度が高い金型温度の高すぎ又は低すぎ射出・保持圧力が低い射出・保持時間が短い冷却時間が不足しているクッションがないシリンダー温度を下げる金型温度を適正にする射出・保持圧力を上げる射出・保持時間を長くする冷却時間を充分とるクッションを5mm_10mmとる製品設計ランナー、ゲートが小さいゲート位置の不良ランナー、ゲートを大きくする内厚に変化のある成型品の場合、ゲートを肉厚部につける成形機逆流防止がなされていない逆流防止機構をつけるそり平板状成型品に見られる凸状変形、凹状変形またはねじれ変形。

箱状製品で壁がコア側に張り出してくる変形。

充填された樹脂の不均一収縮による成形機射出圧力が低く、射出速度がおそい射出・保圧時間が短い冷却時間が短い矯正治具を用いていないコア、キャビティの金型温度格差が大射出圧力を高く、射出速度を早くする射出・保圧時間を長くする冷却時間を長くする射出成形後、治具を用いて変形を防止する金型温調機で、コア、キャビティを別個に制御する金型成型品の突き出しがアンバランスノックアウトピンの面積が小さい離型が悪い突き出しのバランスをとるノックアウトピンの面積を大きくするテーパーを充分とる。

離型剤を塗布する。

製品設計ゲート位置の不良成型品の肉厚変動が大きい広い成形面積にゲートが1ケしかないゲート位置を変更成型品の肉厚が均一になるように設計変更する多点ゲートを設けるショートショット金型内への樹脂の充填不足状態、成型品末端部にあらわれる成形条件成形温度が低い金型温度が低い射出速度がおそいシリンダー温度を上げる金型温度を上げる射出速度を速くするさざ波状のしわもショートショットの一種である射出圧力が低いクッションがゼロ(樹脂供給が不足)射出圧力を上げるクッションをとる(5_10mm)製品設計スプルー、ランナー、ゲートの断面積が小さいスプルー、ランナー、ゲートの断面積を大きくする樹脂樹脂の流動性不足(グレード選定の不適切)良流動性のグレードに変えるクレーズまたはクラック成型品の表面に発生する細い線状のひびまたは割れ成形条件金型温度が低い射出速度がはやい射出・保持圧力が高い型締圧力が不足冷却時間が短い樹脂のオーバーパッキング金型温度を上げる射出速度をおそくする射出・保持圧力を下げる型締圧力を充分とる冷却時間を長くするオーバーパッキングしない金型離型不良テーパーを充分とる。

離型剤を塗布する。

ばり金型の接合部に樹脂がはみ出して固化する現象成形条件シリンダー温度が高い射出速度がはやい射出、保持圧力が高い型締圧力が不足樹脂のフィード量が多いシリンダー温度を下げる射出速度をおそくする射出、保持圧力を下げる型締圧力を上げるフィード量を適正にする(クッション量5mm程度にする)金型金型の合わせ面が平滑でない金型を修正する樹脂樹脂の流動性が良すぎる樹脂グレードを変更する(流動性の良さを下げる適切なグレードの選定)色調不良本来の無色透明性を失い、成型品が黄色化または黒色化する現象成形条件シリンダー温度が高いスクリュー回転数が大きい背圧をかけていない樹脂のシリンダー滞留時間が長いシリンダー温度を下げるスクリュー回転数を下げる背圧をかける(10_20Kgf/c_-G)できる限り滞留時間を短くしシリンダー温度を下げる成形機シリンダー、またはノズルに樹脂が滞留する部分がある滞留のない構造にする管理樹脂ペレットを乾燥する際、乾燥空気によって汚染されている乾燥機の空気吸込口にフィルターを設ける(フィルターとしては例えばガーゼ、発泡ウレタンなどがよい)光沢不良成形条件成形温度が低い金型温度が低いガスの発生射出速度がおそい射出、保持圧力が低い樹脂の充量不足シリンダー温度を上げる金型温度を上げるシリンダー温度を下げる。

背圧をかける(10_20Kgf/c_-G)射出速度をはやくする射出、圧力を上げる樹脂の充填量を調節する金型金型のガス抜きが悪い金型のガス抜きを充分とる管理金型キャビティ面へのオイル類の付着金型キャビティ面に錆がついたり傷がついたりしているキャビティ面をクリーニングするキャビティ面を磨き、メッキをかける黒条・焼け成型品の一部が過熱により変色する現象で、これは空気が高温で急圧縮されるために樹脂が焼けるものである成形条件シリンダー温度が高い可塑化工程でのエアの巻き込み射出圧力・射出速度が大きい滞留時間が長いシリンダー温度を下げるスクリュー回転数を下げる背圧をかける(10_20Kgf/c_-G)射出圧力・射出速度を小さくするまたは、ゲートを大きくするシリンダー温度を下げる成形サイクルを短くする容量の小さな射出成形機で成形する金型金型のガス抜きが悪い金型にガス抜きをつける製品設計ゲート位置が不良ゲートが小さいため摩擦発熱があるゲート位置を変更する(ウェルドがパーティングの方に集まるように)ゲートサイズを大きくする成形機シリンダーまたはノズルに樹脂が滞留する部分がある滞留のない構造にする気泡 成型品厚肉部にみられる真空泡、あるいは残存モノマー、水、空気の膨張による気泡 成形条件 成形温度が高い 金型温度が低い(成型品の厚肉中心部の冷却に伴う体積収縮) 可塑化工程での空気の巻き込み 射出・保圧時間が短い 射出・保持圧力が低い クッションがないシリンダー温度を下げる 金型温度を上げるスクリュー回転数を下げる 背圧をかける(10_20Kgf/c_-G ) ホッパー側のシリンダー温度を高くする射出・保圧時間は少なくともゲートシール時間以上とる射出・保持圧力を高くするクッションをゲートシール時で5_10mm に設定する製品設計 ランナー、ゲートが小さい(体積収縮に見合う樹脂が充填されない)ランナー、ゲートを大きくする成形機 逆流防止がされていないノズル径が小さい。

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