日本高等学校
総合学科の導入、単位制高等学校の全日制への拡大、
学校間連携、学校外学修の単位認定の導入
中央教育審議会答申「 21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」(平成9年6月)
個人の多様な選択を認める豊かな成熟社会にあっては、教育においても、子どもたち自身、あ るいはその保護者が、主体的に選択する範囲を拡大していくことが必要となる。
今後は、これまでの教育において支配的であった、あらゆることについて「全員一斉かつ平等 に」という発想を「それぞれの個性や能力に応じた内容、方法、仕組みを」という考え方に転換 し、取組を進めていく必要がある。
中高一貫教育制度の導入、学校外学修の単位認定の拡大
1
中央教育審議会 (平成3年4月)
「新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について(答申)」における考え方
1
◎
◎
42 長 崎 ○
5
1
◎
◎
43 熊 本 ○
5
4
1
○
◎
○
◎
44 大 分 ○
1
1
1
◎
○
◎
45 宮 崎 ○
4
3
5
◎
◎
46 鹿 児 島 ○
2
3
6
○
◎
○
◎
47 沖 縄 ○
5
4
2
2
1
計
47
4
185 74
55
19
69
注) ※1 「拠点校化」とは、各学科あるいは複数の学科の拠点となる学校の整備を行うことをさす。
11年 中高一貫教育制度の導入
17年 学校外学修等の認定可能単位数の拡大(20→36単位) 22年 外国の高等学校における履修に関する認定可能単位数の拡大
(30単位→36単位)
4
総合学科・単位制高等学校数 [推移]
校
400
総合学科の数
普通教育と専門教育を選 350 択履修を旨として総合的
に施す学科として平成6 300 年度から導入
②高等学校制度の多様化
・生徒の多様な興味・関心や進路等に応じることができるよう、単位制を前提に、 普通科、専門学科及び総合学科の各学科や全日制・定時制・通信制の各課程を 設け多様な内容を様々な方法で学ぶことができる仕組み。
・平成3年以降、単位制高校や総合学科・中高一貫校・学校外学修の単位認定制 度等、様々な制度を導入。
単位制高等学校の数
校
1000
900 学年による教育課程の区分を設けな い課程として導入
800 (昭和63年度から定時制・通信制で導入。 平成5年度から全日制に拡大。)
700
939152 903 860 810
754
689
600
593
514
500
424
400
378
343
300 200 100
0
270
237 171
第1部 改革の背景と視点 第3章 改革の視点 (1) 高校教育改革の視点
ア 量的拡大から質的充実へ 高校教育は、これまでの量的拡大への対応から、個々の生徒の特性にきめ細かく対応することが
できるよう、教育条件の充実も含め、その質的充実を目指すことが大切である。
イ 形式的平等から実質的平等へ これまでの高校教育は、能力・適性等の多様な生徒に対しても形式的に平等に対応し、教育内容、
344349351 334 322
301 286
249
250
218
200
186
163
150
144 124 107
285295305313314 251264
100 50
215
45
74
187 96 109126140158
23 68
76 20 41
0
H6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
・平成25年入学生より完全実施される新高等学校学習指導要領においてもこの 方向性は継続されており、設置者や学校が、それぞれの高等学校の生徒の実態 を十分に把握し、生徒の将来の職業や生活を見通して社会において自立的に生 きるために必要な力を確実にはぐくむことが可能となるよう、「共通性を維持し つつも一定の弾力性を確保する」という共通性と多様性のバランスの中で生徒の 多様化に対応してきている。
21 岐 阜 ○
7
3
2
○
◎
◎
22 静 岡 ○
11
3
3
1
○
◎
○
◎
23 愛 知 ○
1
4
○
◎
○
◎
24 三
重
○
○
4
2
2
1
1
○
◎
○
◎
25 滋 賀 ○
2
2
1
◎
○
◎
26 京 都 ○
1
1
13
◎
○
◎
27 大 阪 ○
13
19
18
◎
○
◎
28 兵 庫 ○
5
5
2
3
○
◎
◎
29 奈 良 ○
3
2
1
1
○
○
30 和 歌 山 ○
6
3
○
◎
高等学校教育改革の流れ
高等学校への進学率が上昇する中、多様化した生徒の実態に対応し、生徒の個性を最 大限に伸ばすためには、特色ある学校づくりを行うとともに、個に応じた教育の充実を 図ることが重要であるため、高等学校教育の多様化を推進する様々な制度改革を行って きた。
中央教育審議会答申「新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について」(平成3年4月)
3 中高一貫教育
子どもたちの個性を「ゆとり」ある教育の中で育むことを目指すとともに、学校制度の複線化構造を進める観点から、中高 一貫教育を選択的に導入。中高一貫校では、例えば、体験学習、地域に関する学習、国際化や情報化に対応する教育、環 境に関する学習、伝統文化等の継承のための教育、じっくり学びたい子どもたちの希望に応える教育などを軸に据えた特色 ある教育の展開を期待。
指導方法等の面でとかく画一的なものとなりがちであった。今後は、生徒の個性に応じた実質的平等 を目指していくことが大切であり、このためには、生徒がそれぞれの個性に応じて学校・学科や教育内 容等について多様な選択ができるシステムにすることが重要である。
ウ 偏差値偏重から個性尊重・人間性重視へ 高校教育の改革を進めるためには、受験競争を緩和することが不可欠であり、このためには、入学
54
51
17
29
38
49
3 10 4
15 7
26 9
15
12
13
14
15
153
66
69 18 16
176
75
82 19 17
連携型 併設型 中等教育学校
280
203
78
76 170
100
27
32
18
19
337
79
222
36 20
370
81
247
42 21
402
81
273
48 22
420
83
288
49 23
4 教育上の例外措置
稀有な才能を持った子どもたちのための教育上の例外措置として、大学入学年齢の特例を設け、学校制度の弾力化を図 ることや、同時に、学習の進度の遅い子どもたちに対して十分な配慮を行うことについて提言
5 高齢社会に対応する教育の在り方
置高齢社会に対応し、学校・家庭・地域社会における教育の充実を図り、子どもたちに豊かな人間性をはぐくむとともに、 子どもたちが高齢者と触れ合い、高齢者から学んでいくことの大切さを提言
文部科学省調べ
5
中高一貫教育校数 [推移]
450 校 400
(平成23年度の設置状況)
350 300 250
公立 私立 国立
計
中等教育学校 28 17 4 49
併設型 69
218 1
288
連携型 82 1 0 83
合計 176 236 5 420
200 150 100
50 0
4
H12111
118
73
471495521533551 405436
129
347 293
4
8
88 1623 36 38 56
1 9 28
57
133153180198231 89
S63H1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 1415 16 17 18 19 2021 22 23
国・公・私立 公立
単位制の全日制・定時制・通信制高校の合計 うち全日制
高等学校の多様化
資料4
①進学率上昇に伴う生徒の多様化
・義務教育ではないものの国民的な教育機関となっている高等学校で学ぶ生徒は、 高等教育を受ける基礎として必要な教育を求める者、就職等に必要な専門教育 を希望する者、義務教育段階での学習内容の確実な定着を必要とする者など様 々。
・PISA 調査では、国際的に比較して、日本の高校生の成績は上位グループに位置 しているが、高等学校における学習等に対して興味関心がある高校生の割合は 低いことが明らかになっている。
③学習指導要領の大綱化
・学習指導要領においても、高い共通性を担保している小・中学校とは異なり、 すべての生徒に共通に学ばせる教育内容については、必要最小限の必履修教科 ・科目を定めるにとどめられている。