社内文書とは、会社内の業務を円滑に進めるために利用される文書です。
社外文書のような対外的な文書と異なるため、実用本位な文章で作成されます。
社内文書は、定型文として社内でフォーマット(雛形・様式)を定め、全社員が同じフォーマット(雛形・様式)を利用できるよう準備しておくと、文書作成の手間を省くことが出来、効率的な文書管理が可能となります。
利用頻度が高く、社内で整備しておくべき社内文書には以下のようなものがあります。
届出書・・・遅刻届・早退届・休暇届・休職届・欠勤届・育児休業届・介護休業届・身上異動届・住所変更届・出生届・死亡届・資格取得届・理由書・顛末書・始末書など願い書・・・遅刻願・早退願・休暇願・休職願・欠勤願・退職願など伺い書・・・進退伺など稟議書・・・稟議書など報告書・・・出張報告書・事故報告書・苦情報告書・クレーム報告書通知状・案内状掲示・回覧・・・新年会のお知らせ・忘年会のお知らせ・社員旅行のお知らせ・健康診断のお知らせ・夏季一斉休暇のお知らせ・避難訓練のお知らせ・研修の通知・電話番号変更の通知・会議の開催通知辞令・懲戒通達・・・配置転換の辞令・転勤の辞令・昇格の辞令・転籍の辞令・出向の辞令・昇給の辞令・懲戒処分通知「社内文書の書き方」では、届出書・願い書・伺い書・稟議書・報告書・通知状・案内状・掲示・回覧・辞令・懲戒通達のような社内文書の書き方のポイント、定型文の文例様式(フォーマット・雛形・書式・テンプレート)をご提供いたしますので、社内文書の整備にお役立て下さい。
<社内文書「忘年会のお知らせ-通知書・案内状」の書き方>平成○○年○○月○○日社員各位○○県○○市○○町○丁目○番○号株式会社文例商事総務部長雛形文太郎忘年会のお知らせ恒例の忘年会を下記の要領で開催いたしますので、お知らせいたします。
記1.日時平成○○年○○月○○日午後○○時○○分~午後○○時○○分2.場所○○県○○市○○町○丁目○番○号○○○ホテル○○の間3.備考①所属長は、○○月○○日までに参加者名簿を総務部企画課に提出して下さい。
②2次会は、同ホテル内○○で行います。
以上<社内文書「講演会のご案内-案内状」の書き方>平成○○年○○月○○日社員各位○○県○○市○○町○丁目○番○号株式会社文例商事総務部長雛形文太郎講演会のご案内本年度の○○○○講演会を下記のとおり実施しますので、お知らせいたします。
記1.内容○○○○について2.講師書式一太郎氏講師プロフィール○○○○3.日時平成○○年○○月○○日(○曜日)午前○○時○○分~午前○○時○○分4.場所本社○○室5.備考参加希望者は、各部署の責任者経由で、講演会参加申込書を総務部(担当:書方)に提出して下さい。
以上ビジネス文書の種類顧客や取り引き先などに発信する「社外文書」と、他部署や上司などに宛てる「社内文書」に大別できます。
どちらの場合でも、公の文書として保存され、一定の効力をもつことを意識して作成しましょう。
縦書き・A4判ハガキで送る挨拶状などの例外を除き、横書き・A4判が基本です。
文字の大きさや行間などは、読みやすさに配慮して設定します。
また、難読漢字にはルビをふります。
原則として用件は一ついくつもの用件をまとめると、スムースな理解が妨げられ、一つひとつの事柄の重みも失われてしまいます。
また、詫び状や見舞い状などでは、礼儀を欠くことにもなります。
シンプルで分かりやすいこと一文はできるだけ60文字程度に抑え、4行を目安に改行を入れます。
複雑な言い回しや難解な表現は避け、比喩や倒置は用いません。
別紙を活用する文書は、一枚にまとめるのが基本。
表やグラフ、画像、地図などを記載したいときには、別紙にプリントし同封するとよいでしょう。
やむを得ず二枚以上にわたる場合は、必ずページ番号を付します。
「このケースでは、訪問、電話、文書、メール?」……ビジネス文書とは、意図を明確に伝えるため作成するもの。
ビジネスにおける様々な場面では、まず伝達手段の使い分けや、組み合わせを検討することが大事です。
例)「取り引き先に損失を与えた」→「直接訪問+文書」例)「データをやりとりしながら商談」→「電話+メール」どれか一つで用件が済むことは、意外に少ないものです。
事柄の重要性や性質、タイミング、相手との関係を念頭に、充分に吟味して選択しましょう。
A 文書番号・日付文書をテンプレートとして使用するときには、ミスを防ぐため数字部分は空白にして保存します。
B宛名所属・役職は省略せず記載します。
会社宛てなら「御中」、個人宛てなら「様」。
「○山(役職)様」ではなく「(役職)○山様」。
C社名・所属・役職・氏名住所や連絡先を併記することも可能。
連名で出す際には、役職の高い順に。
D タイトル何を伝えたい文書なのか、できるだけ簡潔に付けます。
「○○について」や「○○の件」などといった形が多く使われます。
E 前文(頭語+時候の挨拶+謝意)前文は、三つの要素それぞれのバリエーションを組み合わせた形で構成します。
文書内容等によっては、謝意を省略します。
F 主文(用件+説明)用件は、文書のテーマとなる部分で、タイトルに連動した内容が入ります。
説明では、用件の理由や背景を述べます。
G 末文(結び+結語)文書の趣旨を重ねて締めくくります。
依頼状や案内状などで、相手のリアクションが必要なケースでは、ここで念を押します。
H その他簡単な内容なら、文中に「下記要領にて」と付加し、「記」以下にデータを記載。
また、他に添付するものがあれば、ここに名称と数量などを書きます。
◇社内文書の場合にはここでは、社外文書を例に示しましたが、社内文書の場合は社名は省き、Eの部分は「平素よりお世話になっております」、「毎々の業務、誠にご苦労様です」など、Gの部分は「お忙しい中恐縮ですがよろしくお願いいたします」などの文を用います。
また、社内行事のお知らせといった文書では、柔らかい印象の文字やイラストを活用しても良いでしょう。
●タイトルを考える「何のために作成する文書か」を考え、できるだけシンプルな形でタイトルをつけます。
タイトルと内容に整合性がないと、受け取った相手が困惑することになります。
●データ部分を作成する文書のフォーマットを決め、文書番号や日付、宛名、署名などを作成します。
続いて、文書の性質や相手との関係を勘案して、時候の挨拶や頭語・結語などを入力します。
また、同封書類や添付物がある場合は、予め用意しておきましょう。
●「説明」部分を、まず箇条書きに実際に文書を作成する際には、この部分に時間を費やすことが多くなります。
次項でも触れますが、まず優先して書くべきことを「メモ帳」などに抜き出して整理してみましょう。
その後、理解しやすい形に落としていきます。
●全体を見直す用件に相応しい文で結び、出来上がった文書を頭からチェックします。
用字・用語の誤りはもちろん、固有名詞や数字などのデータ部分は、特に丁寧に確認。
どんなに短い文書でも、必ず読み返すクセをつけましょう。
●別紙を活用する文書は、一枚にまとめるのが基本。
表やグラフ、画像、地図などを記載したい場合には、別紙にプリントし同封するとよいでしょう。
◇相手の視点で考えるこちらの伝えたいことはすべて書き、どこにもミスは見当たらない……ビジネス文書としては、これで完成です。
しかし、ビジネスの現場では、もう一歩進んで考えることが求められます。
「来社の予定がある取り引き先に、地図は必要ないか?」、「商品Aの購入を検討している顧客に、比較材料として商品Bのカタログはどうか?」など、常に相手の状況を想像して、機転の利いた対応を心掛けましょう。
●書くこと」と「書かないこと」の選択ここでは、ビジネス文書の要となる「説明」部分の作成方法について解説していきます。
ビジネス文書は、できる限りシンプルに仕上げることが肝要。
「説明」の作成では、書くべき要素を取りこぼさないことと同じくらい、趣旨から外れた事柄を省略することが重要になってきます。
●具体的なケース~販売促進部・○山さんの場合下記のような、具体的ケースを想定してみましょう。
「取り引き先A社・□川部長に商品宣伝の件で相談したところ、イベント企業・B社を紹介してもらった。
後日、B社主催の展示会へ出展した。
来場者も多く商品への反響も大きかった。
」○山さんは、以下の事柄を書き出し、□川部長宛ての礼状を作成しようとしています。
1. 展示会への参加が成功であったこと2. B社の×川課長に、様々なアドバイスをもらった3. 会期は3日間で、全て雨が降った4. パンフレット5千部を配布した5. 商品Aについて20件、商品Bについて5件問い合わせがあった6. 商品Aは、今後定番にしていくものだ7. 展示会に掛ける予算が増額されることになった8. できれば、他のイベント会社も紹介してほしい9. その件も含め、来週直接訪問したい……○山さんは、考えているうちに何を伝えたいのか混乱してきてしまいました。
●迷ったときは、「タイトル」と「用件」に戻って○山さんは、「タイトル」と「用件」の部分を読み返し、この文書が礼状であることを今一度思い返し、「感謝する理由の説明」という観点から事柄のチェックを始めました。
1. 一番大切な報告なので、残しました2. B社紹介に対する感謝なので、残しました5. 参加成功の証左として、形を変えて残しました8. 訪問時に打診することにしました7. 5の補足として、形を変えて残しました9. 結びに入れることにしました3. 不必要な情報なので、消しました4. 5の説明を複雑にする要素なので、消しました6. 内容が複雑になりそうなので、消しましたそして、以下のような「説明」が出来上がりました。
「×川様には的確なアドバイスをいただき、成功裡に会期を終えることができました。
また、商品について予想を上回る反響があり、部内では今後積極的に展示会等へ参加していく旨決定した次第です。
」また、結びには「後日、あらためましてご挨拶に伺いたく存じます。
まずは取り急ぎ御礼申し上げます。
」という文を挿入しました。
◇文書の「説得力」を高める文書が「説得力」を発揮するには、効果的な「説明」が不可欠です。
報告書や稟議書では、具体的なデータが要るでしょう。
礼状や詫び状では、情が伝わる文が効果的かもしれません。
上の例では、「礼状」でしたが、これが別会社紹介の「依頼状」であれば、どのような「説明」が考えられるでしょうか。
いずれにしても、この部分が文書の要であるといえるでしょう。
●悪い文書とは?前述しましたが、ビジネス文書は社会的な重みをもっています。