≪オタマジャクシおたまじゃくしがお母さんおかあさんを探すさがす≫
日和ひよりの春はるがやってきた。
池中いけなかの氷こおりがとけ柳やなぎの青葉あおばが出てでてきた。
蛙かえるママままは、泥どろの巣すで冬眠とうみんを終えておえて、目めが覚めたさめた。
蛙かえるママままはゆっくりとあがって、足あしを引き伸ばしひきのばし、池いけの中なかに飛び込んだとびこんだ。
そして、緑色みどりいろの水草すいそうの上うえに、黒くてくろくて、丸いまるい卵
たまごをたくさん産んだうんだ。
春風はるかぜが吹きふき、太陽たいようの光ひかりが池いけに射しさし、池いけ水みずがだんだん温かくあたたかくな
ってきた。
生まれたうまれたばかりの卵たまごは、ゆっくりと動いてうごいて、頭あたまが大きくおおきく尾おが長いながいオタマジャクシおたまじゃくしに変身へんしんした。
オタマジャクシおたまじゃくしが水みずの中なかを行き来いききして楽しくたのしく泳いでおよいでいる。
ある日ひ、鴨かもママままはたくさんの小鴨こがもを連れてつれて遊びあそびに来たきた。
後ろうしろについて小鴨こがもたちは、ガーガーがーがーと叫んでさけんでいる。
それをみたオタマジャクシおたまじゃくしは、自分じぶんのお母さんおかあさんのことを思い出したおもいだした。
オタマジャクシおたまじゃくし①:「僕たちぼくたちのお母さんおかあさんはどこにいるか?」
オタマジャクシおたまじゃくし②:「僕たちぼくたちのお母さんおかあさんはどこにいるか?」
オタマジャクシおたまじゃくし①:「鴨かもママまま、鴨かもママまま、僕たちぼくたちのお母さんおかあさんを見たみたことがありますか、ママままは、今いまどこにいるか教えておしえてもらえないでしょうか?」
鴨かもママまま:「もちろんまたことがあるよ。
お母さんおかあさんは、目めが大きくおおきく、口くちが広いひろい。
いい子こだから、前まえへ探しさがしに行ってごらん」
オタマジャクシおたまじゃくし①:「ありがとう、鴨かもママまま」
オタマジャクシおたまじゃくしは嬉しそううれしそうに前まえへ向かってむかって泳いでおよいで行ったいった。
途中とちゅう、一匹いっぴきの金魚きんぎょにで会ったあった。
オタマジャクシおたまじゃくし①:「目めが大きくおおきく、口くちも広いひろい・・・ママまま、ママまま」
金魚きんぎょ:「私わたしはお前たちおまえたちのママままではなく、小金魚しょうきんぎょのママままだよ。
お母さんおかあさん
はおなか
が白いしろい。
いい子こだから、前まえへ行っていって探してさがしてごらん」
オタマジャクシおたまじゃくし①:「ありがとう、金魚きんぎょママまま」
オタマジャクシおたまじゃくしは、また、前まえへ向かってむかって泳いでおよいでいた。
今度こんどは、一匹いっぴき蟹かにがやってきた。
オタマジャクシおたまじゃくし①:「お腹おなかが白いしろい・・・ママまま、ママまま、」
蟹かに:「私わたしはお前たちおまえたちのママままではない。
お母さんおかあさんは四本よんほんの足しあししかない。
ほら、私わたしの足あしを見てみてごらん。
足あしは何本なんほん
ですか。
」
オタマジャクシおたまじゃくし①:「ごめんなさい、間違いましたまちがいました。
」
しばらくすると、一匹いっぴきの亀かめがゆっくりと泳いでおよいできた。
その後ろうしろに小さいちいさい亀かめがついている。
オタマジャクシおたまじゃくし①:「一本いっぽん、二本にほん、三本さんほん、四本よんほん、ああ、今度こんどこそお母さんおかあさんを見っけたみっけた。
」 小さいちいさい亀かめ:「勘違いかんちがいをしないで、これは僕ぼくのお母さんおかあさんだ」
大きいおおきい亀かめ:「お前たちおまえたちのお母さんおかあさんはきれいな緑色みどりいろの衣装いしょうをまとい、うたをグアーぐあー、グアーぐあー歌ううたう、歩くあるくと踊ったりおどったり跳ねたりはねたりする。
いい子こだから、早くはやく探してさがしてごらん」
オタマジャクシおたまじゃくし①:「ありがとう、亀かめママまま」
オタマジャクシおたまじゃくしはまた前まえへ泳いでおよいで行ったいった。
オタマジャクシおたまじゃくしは、池いけのほとりまで泳いでおよいでいると、一匹いっぴきの蛙かえるが丸いまるい蓮はすの葉はに座ってすわって、グアーぐあー、グアーぐあーと歌うたっているのを見みた。
オタマジャクシおたまじゃくしは①1:「ちょっとおたずねしますが、家いえのお母さんおかあさんを見ましたみました?お母さんおかあさんは目めが大きくておおきくて、口くちも広いひろい、歩くあるくと、四本よんほんの足あしで踊ったりおどったり跳ねたりはねたりしますお腹おなかが白くてしろくて、緑色みどりいろのA A衣装いしょうをまとい、グアーぐあー グアーぐあー ト歌とうたを歌いますうたいます・・・」 蛙かえるママまま:「ばか、私わたしがお前たちおまえたちのお母さんおかあさんだよ。
ずっとまえからお前たちおまえたちを探してさがしていた。
」
オタマジャクシおたまじゃくし①:「おかしいな、どうして、僕たちぼくたちはお母さんおかあさんに似てにていないか?」 蛙かえるママまま:「それはお前たちおまえたちがまだ小さいちいさいから、もう少しすこし日ひが経ったらたったら、後ろうしろの足あしが出てでてきて、もっと日ひが経ったらたったら前まえの足あしも出てでてくる。
4本4ほんの足あしが揃ったらそろったらしっぽがとれて緑色みどりいろの衣装いしょうに着替えきがえ、お母さんおかあさんと同じおなじようになるよ。
その時とき、自分じぶんで岸きしに跳ね上がってはねあがって、無視むしなど食べ物たべものを探しさがしにいけるよ。
」
オタマジャクシおたまじゃくし①「ママままが見つかったみつかった!ママままが見つかったみつかった!」
蛙かえるはドンどんと池いけに飛び込んでとびこんでおたまじゃくしを連れてつれて一緒いっしょに水遊びみずあそびをしていた。
それから数日後すうじつご、おたまじゃくしは蛙かえるに変身へんしんした。
小さいちいさい蛙かえるは、いつも岸きしの
上うえに跳ねあがりはねあがり、見つかったみつかった虫むしを食べながらたべながら、楽しくたのしく歌ってうたっている。
オタマジャクシおたまじゃくし①「グアーグアーぐあーぐあー , グアーグアーぐあーぐあー、僕たちぼくたちは大きくおおきくなった。
僕たちぼくたちは虫むし取りとりができる、農作物のうさくもつを守るまもるのだ」。