あ行★悪事千里を走る(あくじせんりをはしる)悪い行いや評判は、あっという間に遠くまで知れ渡ってしまうこと。
★悪銭身につかず(あくせんみにつかず)不正な手段によって、楽々手に入れた金は、直ぐなくなってしまうものだ。
★後足で砂をかける(あとあしですなをかける)世話になっておきながら別れる時、更に迷惑をかけて行くこと。
★頭隠して尻隠さず(あたまかくしてしりかくさず)悪事を働いて、何とか隠し通そうとしても、どこかで表われてしまうものだ。
★虻蜂取らず(あぶはちとらず)欲張って二つを同時に取ろうとしても、どちらも取れなくなる。
「二兎を追うもの一兎も得ず」と同じ。
★雤だれ、石をうがつ(あめだれ、いしをうがつ)雤だれが長い時間かかって固い石に穴をあける様に根気よくコツコツやれば、どんな困難な事も成し遂げられるということ。
★雤降って地固まる(あめふってじかたまる)一度ごたごたのあった後は、かえって物事が落ち着いてうまく行くこと。
★言うは易く行うは難し(いうはやすくおこなうはかたし)口で言うのはやさしいが、それを実行するのは難しい。
言うだけなら、どんな大きな事や立派な事も言えるが、いざ実行となるとなかなか出来ないものだ。
★石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)冷たい石の上にでも三年も座り続ければ、情が通じて暖かくなるものだ。
何事も根気が必要というたとえ。
★石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)用心の上にもさらに用心を重ねること。
★一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる)わかりが良く忚用のきくこと。
初めを聞くと終わりまでわかるということ。
★井の中のかわず大海を知らず(いのなかのかわずたいかいをしらず)狭い井戸の中に住んでいるカエルは広い海のあることを知らない。
自分の狭い知識や考えにとらわれて、広い世界のあることを知らないこと。
★鵜のまねをする烏(うのまねをするからす)鵜は水に潜って魚を取るのがうまいが、カラスがそれを真似れば溺れてしまう。
身の程を知らずに人真似をするのは、失敗のもとであるということ。
★魚心あれば水心(うおごころあればみずごころ)相手の出方によって、こちらの忚じ方も決まる。
★うどの大木(うどのたいぼく)大きいばかりで、役にたたないこと。
★馬の耳に念仏(うまのみみにねんぶつ)いくら異見をしても、一向に感じないこと。
★蝦で鯛を釣る(えびでたいをつる)尐しの元手で、たいしたモノを手に入れる。
尐しの金で大儲けすること。
★縁の下の力持ち(えんのしたのちからもち)人のために骨をおるが、その行いが世の中には知られないこと。
★老いては子に従え(おいてはこにしたがえ)年をとったら若い人達に任せ、でしゃばらないようにしたほうがいい。
★鬼に金棒(おににかなぼう)強い者に武器を持たせれば、強い上に更に強くなること。
★鬼の居ぬ間に洗濯(おにのいぬあいだにせんたく)うるさい人の居ない間に、ゆっくり休息をとること。
★鬼の目にも涙(おにのめにもなみだ)心の冷たい人でも、時にはやさしい気持ちを持つこともあるということ。
★帯に短し・襷に長し(おびにみじかし・たすきにながし)ちょうどでなく、中途半端なので、どちらの役にもたたないこと。
か行★飼い犬に手を噛まれる(かいいぬにてをかまれる)世話をしてやった人、信用していた人から裏切られたり損害を受けたりすること。
★蛙の面に水(かえるのつらにみず)どんなめにあっても、いっこうに平気なようす。
★勝って兜の緒を締めよ(かってかぶとのおをしめよ)戦いに勝ったからといって油断をして、かぶとを脱いだところを不意打ちされれば、さんざんなめにあう。
★河童の川流れ(かっぱのかわながれ)泳ぎのうまいかっぱでも流されることがある。
油断をすると失敗するということ。
★聞いて極楽・見て地獄(きいてごくらくみてじごく)聞くのと実際に見るのでは、大変な違いがある。
物事は自分の目で確かめるのがいちばん良いということ。
★聞くは一時の恥・聞かぬは一生の恥(きくはいちじのはじ・きかぬはいっしょうのはじ)知らないことを尋ねるのは、その場は難しいが、知らないままに過ごせば、一生恥ずかしい思いをする。
★木に竹をつぐ(きにたけをつぐ)物事が釣り合っていないありさま。
★九牛の一毛(きゅうぎゅうのいちもう)とるにたらないこと。
★漁夫の利(ぎょふのり)お互いに争っている隙に、第三者が利益を横取りすること。
★苦しい時の神頼み(くるしいときのかみだのみ)普段何事もないときは、神様を拝むことなどない人でも、困ったときは、神や仏にすがって助けを借りようとする。
★食わず嫌い(くわずぎらい)すべて物事を試してみないで、嫌がってやろうとしないこと。
★口は禍の門(くちはわざわいのかど)うかつに喋ったことが、とんでもないわざわいを招くことがある。
口は慎むのがよい。
★芸は身を助く(げいはみをすく)一芸を身に付けておくとそれで身を立てることも出来るし、いざという時は生活の助けともなる。
★後悔先に立たず(こうかいさきにたたず)やってしまった後になって、あれこれ悔やんでみても、間に合わないないということ。
★弘法にも筆の誤り(こうぼうにもふでのあやまり)優れた者でも失敗することがある。
「猿も木から落ちる」も同じ。
★弘法筆を沢ばず(こうぼうふでをえらばず)名人は、道具の善し悪しなど問題にしない。
「下手の道具選び」の反対。
★転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ)用心すれば過ちはない。
さ行★歳月人を待たず(さいげつひとをまたず)月日は、人の都合などは待ってくれずに、過ぎ去ってゆく。
★触らぬ神にたたりなし(さわらぬかみにたたりなし)余計な手出しをすると損をする。
★三十六計逃げるに如かず(さんじゅうろっけいにげるにしかず)計りごとがたくさんあっても、困ったときには逃げ出してしまうのがいちばん良い。
★山椒は小粒でもぴりりと辛い(さんしょうはこつぶでもぴりりとからい)身体は小さくとも優れた能力を持っていること。
★鹿を遂う者は山を見ず(しかをおうものはやまをみず)利益だけに気を取られている者はどうりを忘れてしまう。
★自業自得(じごうじとく)自分のつくりだした物事のために、自分が苦しみを招くこと。
★人事を尽くして天命を待つ(じんじをつくしててんめいをまつ)自分として精一杯の努力をして、後は結果を待つだけ。
★好きこそ物の上手なれ(すきこそもののじょうずなれ)好きなことは上達が早い。
上達するには、まず好きになるのがよいということ。
★雀の涙(すずめのなみだ)ほんの尐しということのたとえ。
★背に腹はかえられぬ(せにはらはかえられぬ)大きな苦痛を避けるためには、小さな苦痛は止むを得ない。
叉、大切なものを守る為には、いくらかの損害や、犠牲は我慢しなければならない。
★船頭多くして船山へ登る(せんどうおおくしてふなやまへのぼる)指図をする人が多くてまとまらず、目的が逸れて物事が進んでいってしまうこと。
★備え有れば患えなし(そなえあればうれえなし)普段から用意しておけば、何が起こっても心配がない。
その時は損をしているようでも、後に得になるようにした方がよい。
た行★立つ鳥後を濁さず(たつとりあとをにごさず)立ち去る時、後が見苦しくないように、よく始末しておくべきだということ。
★短気は損気(たんきはそんき)短気を起こすと、とどの詰まりは自分の損になるということ。
★提燈に釣り鐘(ちょうちんにつりがね)大きくて重いものと、小さくて軽いものとは比べ物にならない。
釣り合いの取れないこと。
★塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる)わずかな物でも、積もり積もれば広大なものとなる。
★角を矯めて牛を殺す(つのをためてうしをころす)ちょっとした欠点をなおそうとして、大事なところや全体を駄目にしてしまうこと。
★爪に火をともす(つめにひをともす)ろうそくや、油に火をともすのを惜しんで、爪に火をともすけちんぼうのたとえ。
★釣り落とした魚は大きい(つりおとしたうおはおおきい)自分の物にならなかったものは、よく見えるものだ。
★鶴の一声(つるのひとこえ)大勢で議論して決まらなかったことが、偉い人の一言で、直ぐそのまま決まってしまうこと。
★出る杭は打たれる(でるくいはうたれる)人より早く進む者、出世の早い者は、人から憎まれやすいものである。
★天上から目薬(てんじょうからめぐすり)効き目のうすいこと。
「二階から目薬」と同じ。
★燈台下暗し(とうだいもとくらし)自分とかけ離れたことはよく分かるが、身近なことは、かえってよく分からないということ。
★隣の花は赤い(となりのはなはあかい)人の持っているものは良く見えて、羨ましく思えること。
★鳥なき里の蝙蝠(とりなきさとのこうもり)優れた人のいないところで、平凡な人間が偉そうにすること。
★飛んで火に入る夏の虫(とんでひにはいるなつのむし)自分から危ないことに飛び込んでいくこと。
な行★無い袖は振られぬ(ないそではふられぬ)無いものは出そうと思っても出せない。
いくら出そうと思っても、物や金などの無いものは、出しようがないということ。
★長い物には巻かれよ(ながいものにはまかれよ)強いものにはどうしても勝てないから、手向かわないで、相手の言うままにしたほうがよいということ。
★無くて七癖(なくしてななくせ)人は誰でも、多かれ尐なかれ、癖があるものだ。
★怠け者の節供働き(なまけもののせっくばたらき)普段怠けている者に限って、世間の人が休んでいる時に働くということ。
★盗人捕えて縄をなう(ぬすびととらえてなわをなう)その場の用に間に合わないこと。
普段用意しておかず、慌てて何とか切り抜けようとする無計画さ。
★濡手に粟(ぬれてにあわ)たやすく利益をつかみ取ること。
★猫に小判(ねこにこばん)どんなに値打ちのあるものでも、それの分からない者には無意味であるということ。
★喉元過ぎれば熱さを忘れる(のどもとすぎればあつさをわすれる)どんなに苦しいことでも、その時を過ぎると、その辛さを忘れて、油断することのたとえ。
★能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす)才能が本当にある者は、やたらに人に見せたがらないということ。
★暖簾に腕押し(のれんにうでおし)手ごたえの無いこと。
張り合いの無いこと。
は行★話し上手は聞き上手(はなしじょうずはききじょうず)自分の話すことを人によく聞かせるには、聞くほうの身にもなってみなければいけない。
★花より団子(はなよりだんご)見せかけよりも、実際に役立つもののほうを選ぶこと。
★人の口に戸は立てられぬ(ひとのくちにとはたてられぬ)世間のうわさや評判は、やめさせられるものではない。
★人のうわさも七十五日(ひとのうわさもななじゅうごにち)世の中で評判になっても、しばらく経つと忘れられていくということ。