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日本文学史_上代


ぶ。
『天を詠む』
天を海に
柿本人麻呂 万葉集巻第七
雲の波立ち 月の舟 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ 現代語訳: 天の海に 雲の波が立ち 月の舟は 星の林に 漕ぎ入り隠れようとしている
天の海に
月の舟浮け 桂梶 掛けて漕ぐ 見ゆ 月人をとこ 現代語訳:天の海に 月の舟を浮べ 桂の梶 を 取り付けて漕いでいるよ 月の若者が
中西進
上昇型、下降型と分けると下降型である。 女性的。 非論理的、合理性がない。 感性的
時代区分
文学の誕生から、平安遷都(延暦十三年 七九四)(なく よ うぐいす)のころまでを上代とする。 大和地方(飛鳥・藤原京・平城京)を中心とする。
文学の誕生
先土器時代(旧石器時代)→縄文時代(土器、採集生活) →弥生時代(水稲耕作)→共同体的社会 祭りの場で語られる神聖な詞章(呪言・呪詞)が文学の原 型である。

古代歌謡 古代の人々の信仰と生産の生活に根ざした表現 歌垣・宮廷歌謡 祭りの場で人々は、神への祈りや感謝を歌に込めた。時に 簡素な楽器や舞踏を伴ってくり返しうたわれるうちに、集 団の労働や歌垣などの場でも民謡としてうたわれるように なり、統一国家形成の過程では、宮廷の儀礼に取り込まれ て宮廷歌謡としても伝承だれた。 このようにして定着した歌を総称して、古代歌謡と呼ぶ。 記紀歌謡 『古事記』『日本書紀』に収められている約百九十首の歌 謡である。 <内容>多方面にわたる生活感情がさまざまの歌体で豊か にうたわれている。
月舟移霧渚、楓檝泛霞浜。 台上澄流輝、酒中沈去輪。 水下斜陰砕、樹除秋光新。 独以星間鏡、還浮雲漢津。
読み下し文 『月を詠む』
月舟は霧の渚に移り、楓檝は霞の浜に泛かぶ。 台上は流耀澄み、酒中去輪に沈む。 水下りて斜陰砕け、樹除りて秋光新し。 独り星間の鏡を持ちて、還に雲漢の津に浮か
言霊信仰
神を祭る場に用いられた呪的な言葉が、呪言 や呪詞である。こうした言葉に宿る霊力(言 霊)に対する信仰を言霊信仰と呼んでいる。

祝詞と宣命 統一国家の形式に伴い、祭りも国家規模になる。神に奏上 する神聖な言葉である呪詞・呪言の表現も洗練され、壮重 で長大な詞章として完成された。これが祝詞である。 また、天皇が神の命を和文体で人々に宣る(口頭で告げ る)宣命も、やがて国家的大事に宣布される文書となった。 祝詞・宣命では宣命書という表記が用いられ、のち<表現・歌体>枕詞や序詞が多用され、反復や対句によっ て韻律美が整えられている。 片歌・旋頭歌・短歌・長歌 仏足石歌 奈良薬師寺の仏足歌碑に刻まれた。 『琴歌譜』和琴の譜本 和歌の発達 うたは、集団でうたう歌謡から個人的感情を詠む和歌へと 性格を変えてゆき、歌集も編まれるようになった。 漢字による表記の発達は、表現を洗練させ、他とは違う個 的な感情を言葉として定着させることを可能にした。
上巻:天地のはじまりの混沌から、伊邪那岐・伊邪那美二神によ る国生み、天照大御神(天界高天原の主神)の岩屋戸ごもり、そ の弟須佐之男命の天界追放と八俣の大蛇退治、須佐之男命の子孫 である出雲の大国主命の国土経営と国譲り、そして天照大御神の 孫邇邇芸命の天界からの降臨へと続く神話


『古事記』 <内容>中・下巻:神武天皇の東征、景行天皇の皇子倭建命や 神功皇后・仁徳天皇・雄略天皇など英雄的人物を中心とする伝 説、皇位をめぐる争い、軽太子と軽大郎女の悲恋物語などが記 されている。 <表現・文体>変則の漢文体で記されており、歌謡や重要な語 句は、万葉がなによる一字一意式の表記によって古意を伝える 工夫がなされている。 <史的意義>現存する最古の書物である。 『日本書紀』舎人親王編。養老四年(七二〇)成立。 <内容>全三十巻。 編年体の歴史書で、いわゆる六国史の初めである。 史書としての性格が強くうかがわれる。 <表現>歌謡は万葉がなによる一字一音で、それ以外は純粋な 漢文体で記されている。 <史的意義>最初の勅撰の歴史書である。


新日本文学史』
秋山虔・三好行雄 編著『原色シグマ (文英堂、2010年)
評価の方法
平日の評価(出席率・質問の回答) 中間レポート
30%
20%
10% 試験 40%
宿題
日本文学の流れ
上代の文学 中古の文学 中世の文学 近世の文学 近代の文学
日本文学の特質
かなり叙情的。
口承から記載へ
漢字の伝来によって、口承から記載へ変遷した。 万葉仮名を経て、のちに片仮名・平仮名が考え出された。
古代国家の文学




神話の体系化 『古事記』『日本書紀』「風土記」 和歌の発達 記紀歌謡→和歌→歌集→『万葉集』(藤原京の時代) 祝詞と宣命 漢詩文の盛行 漢詩集『懐風藻』 説話の誕生 奈良時代の仏教説話『日本霊異記』



<成立> 編者未詳(大伴家持ら)。八世紀後半に成立か。奈良朝の 末ごろ。 <構成・内容> 部立:雑歌・相聞・挽歌 表現上の分類:正述心緒歌・寄物陳思歌・比喩歌など 歌体:短歌(九割以上)・長歌・旋頭歌 <作者・詠作年代> 作者:天皇から庶民まで各階層にわたる。 詠作年代:四世紀ごろ~八世紀後半 約四百五十年 <表記・用字> 万葉がな:表意文字である漢字を表音文字として用いている。 音仮名:漢字音を利用して日本語を表記するもの 訓仮名:和訓を利用するもの
伊邪那美
「あなにやし、えをとこを」 伊邪那岐 「あなにやし、えをとめを」 三種の神器 「勾玉」「鏡」「草薙の剣」

「風土記」 <成立>和銅六年(七一三)年、元明天皇の詔命により、 諸国の国庁から撰上されたが、その完成した時期は国に よって異なる。
<内容>官撰の地誌である。現存するのは五風土記だけで、 完本は『出雲国風土記』のみである。 <表記>基本的には漢文体による。
和させながら、主情による抒情歌の道を切り 開いていったのである。
枕詞 序詞 対句
田子の浦ゆ うち出(い)でてみれば ま白に そ 富士の高嶺(たかね)に 雪は降りける
山上憶良
大伴旅人
先哲の遺風を懐(おむ)う意 現存する最古の漢詩集である。
『詠月』文武天皇。年二十五。五言。

神話の体系化
祭りの場における、神にかかわるさまざまな語り伝えである。 五世紀ごろの漢字の伝来は文学を変えた。口頭伝承(口承)と して語り伝えられた神話は記載されるようになった。 和銅三年(七一〇)、平城京(奈良の都)の遷都を契機に行わ れた国家的事業として、修史と地誌の整備とがある。 『古事記』太安万侶撰録。和銅五年(七一二)成立。 <成立>稗田阿礼が天武天皇の勅命によって、誦習していた帝 記や本辞を変体漢文によって撰録したものであった。 <内容>全三巻。
<史的意義>独特の神話・伝説・歌謡・地理・生活などを 知るうえで、貴重なものとなっている。
『高橋氏文』奈良時代末期 『古語拾遺』平安初期 『日本霊異記』『日本国現報善悪霊異記』

仏教伝来(五~六世紀ころ)後に発生した仏教説 話集で、平安初期に薬師寺の僧景戒が編集したも のである。 仏教の世界観に基づく応報説話・霊験説話を収め る。漢文体で記され、訓注・音注が付されている。
第一期:発生期 第二期:発展期 第三期:成熟期 第四期:衰退期
豊かな感受性をもちあわせ、個人的感慨を読
み込む歌と集団を代弁する歌との両様に長じ ていて、『万葉集』を代表する女流歌人とし て異彩を放っている。
天の香具山
耳成山
畝傍山
自身のもつ純粋素朴な古代的心情を詩情に調
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