天气用语集天気関係あきばれ【秋晴れ】秋のすみわたった晴天のこと。
秋の天気の特徴は、大陸からの移動性高気圧や低気圧が交互に日本付近を通るため、3~4日程度の間隔で天気が周期的に変化すること。
低気圧の通過による雨は大気中のちりを落とし、その後やってくる高気圧によって、低温で乾燥した空気が日本付近に運ばれる。
そのため、すみわたったさわやかな天気となる。
あたたかいあめ【暖かい雨】凝結の始まりから雨が降るまで、一度も氷の粒を作らない雨。
夏に降る。
あめつよし【雨強し】時間雨量15mm以上の雨。
天気記号では雨の記号の右下にカタカナで「ツ」と書く。
あられ【霰】雲から落下する直径5mm以下の氷の粒を「あられ」という。
おおあめ【大雨】大雨注意報基準値以上の雨。
特定の時間内に大量に降る雨のこと。
おおゆき【大雪】大雪注意報基準値以上の雪。
特定の時間内に大量に降る雪のこと。
かいせい【快晴】空に雲がほとんどない状態。
雲量が1以下。
からつゆ【空梅雨】梅雨期間に雨の日が非常に少なく、降水量も少ない場合。
夏の水不足をもたらす。
きりさめ【霧雨】微小な雨滴(直径0.5mm未満)による弱い雨。
くもり【曇り】雲量が9以上であり、中・下層の雲が上層の雲より多く、雨が降っていない状態。
気温関係かんき【寒気】まわりの空気に比べて低温な空気。
かんのもどり【寒の戻り】3~4月、一時的に冬型の気圧配置となり、再び寒くなること。
かんぱ【寒波】主に冬、広い地域に2~3日またはそれ以上にわたり、著しい気温の低下をもたらす寒気が到来すること。
きおん【気温】大気の温度のこと。
日本では地上1.25~2.0mの大気の温度を摂氏温度(℃)で表している。
ぎゃくてんそう【逆転層】高度が上昇するほど気温が上昇する気層のこと。
普通、気温は高度が上昇すると低下する傾向があるが、それとは逆になっている。
冬の晴天時、放射冷却によって起こる。
だんき【暖気】まわりの空気に比べて高温な空気。
台風関係台風あめたいふう【雨台風】風による被害より、雨による被害のほうが大きい台風。
かぜたいふう【風台風】雨による被害より、風による被害のほうが大きい台風。
さいくろん【サイクロン】→台風たいふう【台風】北西太平洋にある熱帯低気圧のうち、域内の風力が8以上(最大風速17.2m/s以上)であるもの。
台風は暖かい空気でできていて、水蒸気が水に変わるときの熱(潜熱)がエネルギー源となっているので、台風が発生、発達するのは、水蒸気の豊富な熱帯の海上である。
天気図をみると台風の等圧線は同心円状となり、その間隔は中心ほどせまくなっている。
台風内の風向変化は反時計回りであり、進行方向の右側半円では、台風自身の移動速度も加わるため風速が強くなる。
台風による災害は、大雨、風害、河川のはんらん、土砂災害などである。
台風の大きさは風速15m/s以上の領域の半径を基準にして決め、強さは台風の最大風速を基準にして決める。
大きさ大型(大きい)500km以上800km未満超大型(非常に大きい)800km以上強さ強い33m/s以上44m/s未満非常に強い44m/s以上54m/s未満猛烈な54m/s以上(→熱帯低気圧)なお、ハリケーンはカリブ海・メキシコ湾、サイクロンはインド洋・アラビア海・ベンガル湾で発生したものである。
たいふうのめ【台風の眼】台風の中心付近、直径10kmくらいのところ。
台風は中心付近に下降気流があるので雲が消え、すっぽり穴が開いているように見える。
地上では台風の眼に入ると晴れ間がのぞく。
(たいふうの)めのかべ【(台風の)眼の壁】台風の眼のまわりを取り囲む発達した積乱雲群のこと。
はりけーん【ハリケーン】→台風ぼうふういき【暴風域】台風や発達した低気圧の周辺で平均風速が25m/s以上の風がふいているか、ふく可能性のある領域のこと。
天気図ではその範囲を円で表す。
よほうえん【予報円】台風や暴風域をともなう低気圧の中心が12、24、48および72時間後に到達すると予想される範囲を円で表したもの。
台風や低気圧の中心が予報円に入る確率はおよそ70%である。
風関係うみかぜ【海風】日中、気温の低い海面から気温の高い陸地に向かってふく風。
おろし【おろし】山地からふきおろす冷たい強風。
日本各地に「おろし」の名所がある。
例六甲おろし、赤城おろしかいりくふう【海陸風】海と陸の温度差により、日中は海から陸へ(→海風)、夜間は陸から海に向かってふく風(→陸風)。
かぜ【風】水平方向への空気の動きのこと。
風は気圧の高いほうから低い方へふく。
つまり気圧差によって生じる。
からっかぜ【空っ風】関東平野や東海地方で冬にふく冷たく乾いた風。
北西の季節風が日本海側の地方に雪を降らせた後、中央山脈をこえ、これらの地方にふき下ろす。
きせつふう【季節風】季節によってふく特有な風向をもつ風のこと。
季節風は地球規模の大気の流れによって起こる。
日本付近では、冬、大陸から日本海に向かって北西の風がふき、夏には太平洋から南東または南西の風がふく。
じぇっときりゅう【ジェット気流】地上から10kmくらいの上空(対流圏と成層圏の境)にふいている強い風。
冬に強まり、風速は50~100m/sに達する。
せいおん【静穏】ほとんど無風の状態。
風力0(風速0.3m/s未満)の状態。
だし【だし】細長い峡谷を通って、谷の開口部から平野部や海上に向かってふき出す強い東よりの風。
日本海側で船を海に出す東風の意味からつけられた。
山形県の清川だしや新潟県の荒川だしが代表的。
とっぷう【突風】急にふく強い風で、継続時間の短いもの。
波関係おおしけ【大しけ】波高(波の高さ・有義波高)が6mをこえ9mまでの状態。
しけ【しけ】強風のために海上が荒れること。
たかしお【高潮】潮位が通常よりいちじるしく高くなる現象。
台風や発達した低気圧によって起こされる。
ときには海水が陸地に入ることもある(高潮害)。
とうあつせん【等圧線】気圧の同じところを結んだ線。
これによって気圧配置の特徴が明らかになる。
天気図で等圧線の間隔が狭いところでは風が強く、広いところでは風は弱い。
なぎ【凪】海風と陸風が交代する朝や夕方、一時的に無風状態となること。
朝なぎ、夕なぎがある。
(→海風、陸風)はろう【波浪】海域の風によって起こる波を風浪といい、遠方で発生した風浪により伝わってくる波や風がやんだあとも海面に残っている波をうねりというが、波浪とはその二つを合わせた呼び方。
雲関係うんちょう【雲頂】雲は立体的な構造なので厚みをもつ。
このなかで最も高いところを雲頂という。
つまり、雲の最上部のことである。
うんちょうこうど【雲頂高度】地表から雲頂までの高さ。
雲頂高度はいろいろあるが、一般的には3層に分け、その高度により「上層雲」「中層雲」「下層雲」に分類する。
うんりょう【雲量】空をぐるっと見渡したとき、雲が空の何割を占めているかで決める値。
雲量は目分量で0~10までの値をとる。
くも【雲】空の高いところに小さな水滴や氷の結晶が浮かんでいるもの。
雲は大気中の水蒸気が凝縮してできる。
空気のかたまりが何らかの原因で上空に持ち上げられると、上空ほど気圧が低いので膨張し、それにともなって温度がさがっていく(断熱膨張)。
そしてある高さになると、空気のかたまりは露点温度(飽和水蒸気量に達する温度)に達して飽和、さらに持ち上げられると余分な水蒸気は凝結して雲となる。
くものぶんるい【雲の分類】雲は、おもにできる高さや形状によって10種類に分けることができ、これを十種雲形という。
雲を高さで分類すると、「上層雲」「中層雲」「下層雲」に分けられる。
「上層雲」は地上から5~13km、「中層雲」は2~7km、「下層雲」は2km以下となっており、雲の高さは季節や緯度によって異なる。
一方、雲を形で分類すると、綿のかたまりのような雲は「積雲」、羽のようにうすく白いすじ状の雲は「巻雲」、水平に広がっている雲は「層雲」と大きく3種類に分けられる。
十種雲形はこれらに基づき分類していて、以下のとおりである。
上層雲:巻雲巻積雲巻層雲、中層雲:高積雲高層雲、下層雲:層積雲層雲乱層雲その他、雲が垂直にのびた形状の積雲、積乱雲がある。
こんまぐも【コンマ雲】発達した温帯低気圧でみられるコンマ状の雲。
積雲や積乱雲からなり、気象衛星画像で確認できる。
そうじょううん【層状雲】広範囲に水平に広がり、もくもくとした盛り上がりのない雲のこと。
十種雲形では層雲、高層雲、巻層雲があり、温帯低気圧の接近にともなって見られることも多い。
たいりゅううん【対流雲】比較的大気が不安定なときにできる、モクモクともりあがった、かたまり状の雲。
にんじんじょうのくも(てーぱりんぐくらうど)【にんじん状の雲(テーパリングクラウド)】風上に向かってしだいに細く筆のような形をした、発達した積乱雲のあつまり。
気象衛星画像で見ると「にんじん」のような形をしている。
大雨や突風などの現象をともなうことが多く、竜巻を起こすこともある。
らいうん【雷雲】雷をともなう積乱雲のこと。
霧関係いりゅうぎり【移流霧】暖かく湿った空気が、温度の低い地面や海面に流入したとき、下から冷却されて生じる霧。
えんむ【煙霧】乾いた微粒子により視程が10km未満となっている状態。
きり【霧】ちいさな水滴が空気中に浮遊していて視程が1km未満の状態。
霧は原因別に移流霧、放射霧、蒸気霧、前線霧、上昇霧に分類される。
こおりぎり【氷霧】非常に細かい氷の結晶が大気中に浮いていて、視程が1km未満の状態。
天気予報では「霧」としている。
じょうきぎり【蒸気霧】暖かい水面上に冷たい空気が流れ込むことによる、急激な蒸発によって霧が発生した状態。
冬場、湯船から水蒸気がさかんに発生して、風呂場全体が水蒸気で白くなるのと同じ原理である。
じょうしょうきり【上昇霧】山腹をふき上げる空気は上昇するにつれ気圧が小さくなるために、膨張し、冷却される。
その際、水蒸気が凝縮して霧となったもの。
滑昇霧(かっしょうぎり)ともいう。
のうむ【濃霧】視程が陸上で100m、海上で500m以下の霧。
ほうしゃぎり【放射霧】地面および地面近くの空気が放射冷却によって冷却されたときにできる霧。
夜、晴れて風の弱い時に出やすく、盆地で起こりやすい。
もや【靄】ちいさな水滴が空気中に浮遊していて視程が1km以上10km未満の状態。
気象学では、視程が1km以下の場合を霧、1km以上の場合をもやと定義づけて区別している。