古典日本语文法入门
歴史仮名遣いを読むときのルール
1、ワ行音「ゐ・ゑ・を」は「い・え・お」で発音 する 「ゐ」→「い」 例:ゐど「井戸」→いど ゐなか「田舎」→いなか 「ゑ」→「え」 例:こゑ「声」→こえ ゑつぼ「笑壷」→えつぼ 「を」→「お」 例:をとこ「男」→おとこ をとめ「少女」→おとめ
2、ハ行の仮名は、語頭以外の音はすべてワ行の音 で読む はな「花」 へいけ「平家」 こひのぼり「鯉幟」 母うへ「母上」 ひかり「光」 ほお「頬」 ふところ「懐」 かはら「河原」 ゆふ涼み「夕涼み」 草のいほり「草の庵」
日本古典文法
第一章
第一章 古典文法入門
一、古典語 二、古典文法 三、古典語と現代語の違い 四、仮名遣い 五、係り結び 六、言葉の単位と品詞分類 七、練習問題
一、古典語
日本の古典とは、奈良時代(710- 793 年)か ら江戸時代末期(1603-1867年)まで、創作され た文学作品を中心とした言語作品のことで、古典 語はその作品の中で使われたことばである。 言葉はこの1300年あまりの間に、いろいろ変化 されたけれども、たくさんの優秀な作品ができた 平安時代(794-1192年)中期その言葉は長い 間ずっと文章の書く基準と規範とされた。だから、 平安時代中期の言葉は古典語の基本の言葉と された。
(2)文語の助動詞を使い、体言や形式名 詞、助詞を省き、活用の違う動詞もある ★老いたる あり。 ○年老いた人がいる。 (3)活用の違う動詞もあり、助詞も省く ★いと 大きなる川 あり。 ○たいへん大きな川がある。
(4)係り結びという特別の決まりがあり、助詞 も省く ★雪の降るこそ うれしけれ。 ○雪が降るのはうれしいよ。 3、語彙 (1)形同じ、意味が違う単語 まじる→わけいる あした→あさ (2)現代語にない語 いと
六、言葉の単位と品詞
教科書(P5-10)
さへづ(囀)る を(折)る もみぢ(紅葉) 歌ふ 率ひる 恥ぢて 教へて 植ゑ て 据ゑ て
二、次の文を文節に分けよ。
1. 2. 3. 4. 5. それを隅田川といふ。 天は長く地は久し。 時は金なり。 一葉落ちて天下の秋を知る。 千里の道も一歩より。
四、仮名遣い
平安時代に形成された仮名遣いを、「歴 史仮名遣い」、現代使われ、発音を表記原 則とされた仮名遣いを 「現代仮名遣い」と 言う。古典文法を勉強する第一歩は「歴史 仮名遣い」を習得することである。 五十音図(P2)
伊呂波歌
いろはにほへどちりぬるを わがよたれぞつねならむ うゐのおくやまけふこえて あさきゆめみじゑひもせず
三、次の文を単語に分け、活用する語 にはⓐ、活用しない語にはⓑの符号 をつけよ。
1.夜は静かなれども、なほ眠ること難し。 2.備へあれば憂ひ無し。
3.行く川の流れは絶えずして、しかも、 もとの水にあらず。
4.古きを温ねて新しきを知る。 5.朋あり、遠方より来たる、また楽しか らずや。
3、a+u→o「あう(あふ)→おう」
あうむ「鸚鵡」→おうむ
あうぎ「扇」→おうぎ
かうし「格子」→こうし
4、i+u→yu「いう(いふ)→ゆう∕ う段拗長音」
いうぢよ「遊女」→ゆうじょ
にふだう「入道」→にゅうどう
5、e+u→yo「えう(えふ・ゑふ・やう)」→よう えうがい「要害」→ようがい けふ「今日」→きょう てふ「蝶」→ちょう 6、「くわ・ぐわ」は「か・が」で発音する くわきふ「火急」→かきゅう くわうせん「黄泉」→こうせん ぐわいせき「外戚」→がいせき ぐわんじやう「願状」→がんじょう
二、古典文法
古典としての古文読解の基礎にな るものとしての古語の文法を古典文法とい う 平安時代中期(『枕草子』や『源氏物語』 の書かれた時代)の言葉の文法は古典文 法の中心である。
三、古典語と現代語の違い
1、歴史的仮名遣い ★けふも 窓べに にほふ 花かな ○きょうも 窓べに におう 花よ。 2、文法の違い (1)助詞「を」「が」を省き、文語の助動詞も使う ★馬 引きて童(わらべ) 帰りぬ ○馬を引いて少年が帰った。
伊呂波歌
いろ(色)はにほへ(匂)どち(散)りぬるを わ(我)がよ(世)たれ(誰)ぞつね(常)ならむ うゐ(有為)のおくやま(奥山) けふ(今日)こ(越)えて あさ(浅)きゆめ(夢)み(見)じ ゑ(酔)ひもせず
意味解説
花の色は美しく照り輝くけれども、いずれは散っ てしまう。それと同様にわれわれの世の中も誰 が、変わらないことがあろうか、いや、移り変わる ものである。移り変わりが激しい無常の世にたと えられる奥深い山を、今日も越えていくような人 生で、浅はかな夢を見るようなことはしまい、ま た、世の中のことに心を奪われて、正気を失うよ うなこともしない。
例文:
1、これぞなかなかに我本性(ほんしやう)なりける。 (強意)『舞姫』 2、腰なむうごかれぬ。(強意)『竹取物語』 3、これや日記の成らぬ縁故なる。(反語)『舞姫』 4、日ごとに幾千言をかなしけむ。(疑問)『舞姫』 5、学問こそなほ心に飽き足らぬところも多かれ。 (強意)『舞姫』 6、親に似て、これも恐ろしき心あらむ。『枕草子』
7、「ぢ・づ」は「じ・ず」で発音する ぢごく「地獄」→じごく ぢざう「地蔵」→じぞう はづ「恥づ」→恥ず づきん「頭巾」→ずきん 8、「む」は「ん」で発音する 行かむ→行かん なむ→なん
五、係り結び
ぞ・なむ……(強意)……連体形で言い切る や・か……(疑問・反語)……連体形で言い 切る こそ……(強意)……已然形で言い切る は・も……主に終止形(命令形)で言い切る