第14課131、……ば…ほど、…140、…ほど…1接続:用言ば形…N/Na(な)である・A―い/V-るほど2意味:越来越…また、後には、変化を表す文が来る。
3類似表現:(N・Na)なら…ほど・(N/Na・A―い/V-る)ほど・ば…だけ4例文:就職試験のことは、考えれば考えるほど心配になってくる。
お礼の手紙を出すのは早ければ早いほどいい。
日常使う器具の操作は簡単なら簡単なほどいい。
アパートを探しています。
駅に近いほどいいんですが。
どこかありませんか。
優れた営業マンほど客の声に耳を傾け、ほかの人の批判にも謙虚になれるものだ。
食べれば食べるほど太る。
電気製品というのは、高くなればなるほど使いにくくなる。
この説明書は、読めば読むほど分からなくなる。
年を取るほど体が弱くなる。
上等のワインは、古くなるほどうまくなる。
駅に近いほど家賃は高くなる。
北へ行くほど寒くなる。
真面目な人ほどストレスがたまる。
健康に自信がある人ほど、病気になかなか気付かないことが多い。
132、…ばかりか・ばかりでなく…(非限定)1接続:N・用言の連体修飾型+ばかりか・ばかりでなく2意味:両方とも書き言葉的硬い表現。
「ばかりか」は「~だけでなく、その上にもっと程度の重い事柄も加わる」の意。
「ばかりでなく」は「~だけでなく、範囲はもっと大きく外にも及ぶ」の意で、「のみならず」と類似。
話し言葉では「だけじゃなくて」を使う。
3注意:①「~ないばかりか」の形で使われるときにはよくないことについて使われる傾向がある。
彼は自分の失敗を認めないばかりか、相手が悪いなどと言い出した。
親切に忠告してやったのに、彼は真面目に聞かないばかりか怒り出した。
薬を飲んだが、全然効かないばかりか、かえって気分が悪くなってきた。
②「ばかりでなく~も・まで・さえ」の形ではよく使われる。
③「ばかりか」の後には、命令・強制の文が来ない。
「ばかりでなく」はこの限定がない。
×自分のことばかりか、他人のことも考えられる人間になりなさい。
×試験の前日ばかりか、普段もしっかり勉強しろ。
○自分のことばかりでなく、他人のことも考えられる人間になりなさい。
○試験の前日ばかりでなく、普段もしっかり勉強しろ。
④「どころか」は「前を完全に否定し、事実はその正反対だ」という言い方があるが、「ばかりか」はない。
成績がよくなるaばかりか○bどころか、どんどん悪くなった。
4例文:私たちは日本語ばかりでなく、英語や数学の授業も受けている。
今日は頭が痛いばかりでなく、吐き気もするし、少々熱もあるんです。
テレビの見すぎは子どもの目を弱めるばかりでなく、自分で考える力を失わせるといわれている。
あの人は有名な学者であるばかりでなく、環境問題の活動家でもある。
会議では森さんの仕事上のミスについてばかりでなく、彼の私生活の話まで出た。
いくら薬を飲んでも、風邪が治らないばかりか、もっと悪くなってきました。
このごろ彼は遅刻が多いばかりか、授業中に居眠りすることさえあります。
彼は仕事や財産ばかりか、家族まですてて家を出てしまった。
あの人は仕事に熱心であるばかりか、地域活動も積極的にしている。
山田さんは英語ばかりでなく、中国語も話せる。
漢字が書けないばかりでなく、平仮名も書けない。
佐藤さんがイギリスに行くことは、友人ばかりでなく、家族でさえも知らなかった。
このアパートは、暑いばかりでなく音もうるさい。
彼女は現代語ばかりか、古典も読める。
会社の同僚ばかりか、家族までが私を馬鹿にしている。
133、…ばかりに…1接続:V・A連体修飾型+ばかりに2意味:「そのせいで、予想外の悪い結果になってしまった」という意。
後には悪い結果の文が来る。
話す人の後悔や残念な気持ちを表わす。
「するつもり」など人の意志を表す文は来ない。
3注意:「ばかりに」の後にはマイナスの文が来るが、「だけに」はマイナス・プラスの文が両方とも来る。
一生懸命勉強したaばかりに○bだけに、試験に合格できたのです。
4例文:働きがないばかりに、妻に馬鹿にされている。
二人は好きあっているのだが、親同士の仲が悪いばかりに、まだ結婚できずにいる。
彼の言葉を信じたばかりにひどいめにあった。
コンピューターを持っていると言ったばかりに、余計な仕事まで押し付けられてしまった。
注意を忘れてちょっと生水を飲んだばかりに、おなかを悪くしてしまった。
パスポートを取りに行ったが、はんこを忘れたばかりに、もらえなかった。
コンピューターの知識がないばかりに、社内の希望の課にいけなかった。
134、…はともかく・はともかくとして…(付加)1接続:N+はともかく・はともかくとして2意味:「~は一忚問題にしないで」の意で、「~の問題も考えなければならないが、今はそれよりも後の文の事柄を先に考える」という気持ちで使う。
3例文:費用の問題はともかく、旅行の目的地を決める方が先です。
コスト(成本;価格)の問題はともかくとして、重要なのはこの商品が売れるか売れないかだ。
この計画は実行できるかどうかはともかくとして、まず実行する価値があるかどうかをもう一度よく考えてみよう。
見掛けはともかく味はよい。
学歴はともかく、人柄にやや難点がある。
奥さんはともかくとして、ご主人はとてもいい人だ。
勝敗はともかくとして、一生懸命頑張ろう。
135、…はもちろん・はもとより…1接続:N+はもちろん・はもとより2意味:「はもちろん」は、「~は当然として、いうまでもないことだが」という意味で、その後で同類の他のものを並べあげるのに使うが、「はもとより」は、「~は当然として、ほかのもっと重要なことがら・軽いことがらも」という意味で、「~はもちろん」より書き言葉的な言い方。
また、「はもちろん」は「はもちろんのこと」といういい方もある。
3例文:アジアでは、日本はもとより、多くの国がこの大会の成果に期待している。
数学は、自然科学や社会科学はもとより、どんな方面に進む人にとっても重要だ。
体の弱いぼくが無事に学校を卒業できたのも両親はもとより、いろいろな方々の援助があったからです。
復習はもちろん、予習もしなければなりません。
浅草という町は日曜、祭日はもちろん、ウイークデーもにぎやかだ。
大都市ではもちろん、地方の小さな農村でも情報がすばやくキャッチできるようになってきた。
山下さんは勉強についてはもちろんのこと、私生活の問題までなんでも相談できる先輩だ。
彼は、英語はもちろん、ドイツ語も中国語もできる。
彼は、スポーツ万能で、テニスはもちろん、ゴルフもサッカーもうまい。
来週のパーティーは、いろいろな国の料理はもちろん、カラオケもディスコもある。
この本は、勉強にはもちろん役に立つし、見るだけでも楽しい。
彼は子どもの送り迎えはもちろん、料理も選択も家事はなんでもやる。
結果はもとより、その過程も大切だ。
彼はさしみはもとより、すしも食べられない。
136、…反面・半面…1接続:Nである・Naな/である・A-い・V-る/た+反面・半面2意味:ある事柄について二つの反対の傾向や性質をいうときの言い方で、「一面では~と考えられるが、別の面から見ると」の意。
「その反面・半面」というのもある。
3例文:この薬はよく効く半面、副作用も強い。
化学繊維(せんい)は丈夫である半面、火に弱いという欠点がある。
自動車は便利な半面、交通事故や大気汚染というマイナスの側そく面めんも持っている。
彼は目上に対して腰が低い半面、目下に対しては威張っている。
おじは頑固者である半面、涙もろい性格だ。
彼女はいつもは明るい半面、寂しがりやでもある。
郊外に住むのは、通勤には不便な半面、身み近ぢか0に自然があるというよさもある。
科学の発達は人間の生活を便利で豊かにする半面、環境を汚し、素朴な人間らしさを失わせることになるのではないか。
137、…べき・べきだ・べきではない1接続:V-る(終止形)+べき(+N)・べきだ・べきではない(「する」は「するべき・すべき」)2意味:話し手が義務だと主張したり、忠告したりしたい時に使う言い方で、「~した(しない)ほうがいい・~する(しない)のが人間としての義務だ。
(可能・命令の意をも表す)」の意。
(個人意見)应该…;必须…3注意:規則や法律で決まっている場合は「なければならない」を使う。
×海外旅行に行く時はパスポートを持っていくべきだ。
○海外旅行に行く時はパスポートを持っていかなければならない。
4例文:1万円拾ったんだって。
そりゃあ、すぐに警察に届けるべきだよ。
親が生きているうちにもっと親孝行するべきだった、と後悔している。
現代は何事も地球規模で考えるべきだ。
女性に年齢を聞くべきではない。
学生は勉強するべきだ。
他人の私生活に干渉するべきではない。
近頃は小学生まで塾に通っているそうだが、子どもはもっと自由に遊ばせるべきだ。
先生:「君、成績がよくないね。
もっと勉強するべきだね。
」学生:「すみません。
」この仕事は君がやるべきだ。
会社の電話で私用の電話をするべきじゃないね。
「海外研修に行くかどうか迷っているんだ。
」「そりゃ、行くべきだよ。
いいチャンスじゃないか。
」悪いと思ったらすぐあやまるべきだ。
守るべき規則僕ならこっちを買うべきだと思うな。
これは子供が見るべきテレビじゃない。
六時に集まる~だ。
警察は市民の安全を守るべきだ。
早く対策を立てる~だ。
138、…ほかない・よりほかない・(より)ほかはない・ほかしかたがない1接続:V-る・N+ほかない・よりほかない・(より)ほかはない・ほかしかたがない2意味:「~以外に方法はない」の意。
3例文:この事故の責任はこちら側にあるんだから、謝るほかないと思う。
ビザの延長ができなかったのだから、帰国するほかない。
当時私は生活に困っていたので、学校を辞めて働くほかなかった。
この病気を治す方法は手術ほかないそうです。
すぐに入院するほかありません。
気は進まないが、上司の命令であるので、従うほかはない。
誰も変わりに行ってくれる人がいないので、自分で行くほかはない。
139、…ほどだ・ほど・ほどの(N)…(程度)1接続:V・A連体修飾型+ほど・ほどだ・ほどの(N)2意味:前には話す人の意志を表さない動詞や動詞の「~たい」が来ることが多い。
3例文:昨日は山登りに行って、もう一歩も歩けないほど疲れました。
暑いね。
まったく今年の夏ほど暑い夏はないね。
困っているとき、思いやりのある友人の言葉ほど嬉しいものはない。
A:「足、けがをしたんですって。
」B:「うん、昨日までは泣きたいほど痛かったけど、今日はだいぶよくなったよ。
」悩んでいた時、友人が話を聞いてくれて、嬉しくて涙が出るほどだった。