日本文学史简述
中世文学
中世:源頼朝による鎌倉幕府創設から徳 川家康による江戸幕府まで 1192~1603 鎌倉(神奈川県東部)時代・室町(東京都 中央区北部)時代
中世時代
軍記物語:保元・平治の乱に始まり、平氏 の滅亡・承久の変などを経て、政権は武士 階級のものとなっていく。こうした時代相を 反映して『保元物語』『平治物語』『平家物 語』『源平盛衰記』などの軍記物語が生み 出されていく。
一一世紀後半になり
特徴:摂関政治は無力化し、藤原氏も力を失って いく。特に白河法皇によって成された院政は摂関 政治も行われなくなる。この公家社会の内部分 裂によって、武士階級が実力を持つようになって いく。この時期に、物語に関しては、『夜中の寝 覚』『浜松中納言物語』、短編集『堤中納言物語』、 歴史物語『大鏡』、日記に関しては、『更級日記』 が注目されよう。こうした公家的な文学に対して、 庶民の事も記した『今昔物語』、庶民の間で歌わ れた歌謡の集成『梁塵秘抄』も生み出されている。
中世文学
代表作品: 1361年頃 曽我物語(真名本) 軍記 1376年以前 増鏡 軍記 1400年 風姿花伝 世阿弥 能 1411年頃 義経記 軍記 1463年 ささめごと 心敬 連歌 1467年 吾妻問答 宗祇 連歌 1472年 花鳥余情 一条兼良 注釈 1476年 竹林抄 宗祇 連歌 1488年 水無瀬三吟百韻 宗祇・肖柏・宋長 連歌 1495年 新撰莵玖波集 一条冬良・宗祇 准勅撰連歌撰集 1499年 竹馬狂吟集 俳諧 1518年 閑吟集 歌謡
中世文学
なお、この時代は政権が武士階級に移っ たとはいえ、まだ文学の担い手は『新古今 集』を編纂するなどした貴族にあった。
中世文学
代表作品: 1190年以前 山家集 西行 私家集 1201年以前 無名草子 藤原俊成女(?) 物語評論 1205年 新古今和歌集 後鳥羽院勅令 藤原定家・源通具ら 勅撰和歌 集 1212年 方丈記 鴨長明 随筆 1212年頃 無名抄 鴨長明 歌論書 1213年 金槐和歌集 源実朝 和歌(家集) 1215年以前 古事談 源顕兼 説話 1216年以前 発心集 鴨長明 説話 1219年以前 保元物語 未詳 軍記 1219年以前 平治物語 未詳 軍記 1219年以前 平家物語 未詳 軍記 1220年 愚管抄 慈円 歴史
現代文学
現代:大正後期・昭和初期から現在に至る まで。
上代文学
代表作品: 712年 古事記 誦習、稗田阿礼(ひえだのあれ)・採録、 太安万侶(おおのやすまろ) 神話 713年頃 風土記 地方誌 720年 日本書紀 舎人親王(とねりしんのう) 神話 751年 懐風藻 漢詩集 759年以前 万葉集 大伴家持(おおとものやかもち)ら 和歌集 787~822年頃 日本霊異記 景戒 説話
中古文学
代表作品: 940年 将門記 軍記 951年 後撰和歌集 村上天皇勅令 清原元輔(きよはらのもと すけ)・源順(みなもとのしたごう)ら 勅撰和歌集 951年頃 大和物語 物語 956年以後 伊勢物語(現存本) 物語 965年頃 平中物語 物語 974年以後 蜻蛉日記 右大将道綱(みちつな)母 日記 982年 池亭記 慶滋保胤(よししげのやすたね) 漢文 984年以前 宇津保物語 物語 984年 三宝絵詞 源為憲(もなもとのためのり) 説話 985年 往生要集 源信(げんしん) 仏教
特徴:国風文化が復活し、仮名文字が普 及した。和歌が復活し、最初の勅撰和歌集 『古今集』が撰進された。散文でも『土佐日 記』『竹取物語』『伊勢物語』など、仮名文 による日記・物語文学が現れる。
十世紀末になり
特徴:摂関政治が全盛期となるころ、宮廷・ 後宮を中心に、中古文学の代表的女流文 学が生まれる。『蜻蛉日記』『和泉式部日 記』『源氏物語』『枕草子』などが、その主 要なものである。
江戸文学
最盛期は文化文政のことである 俳諧では無村・一茶が異彩を放つ 川柳・狂歌が大衆の文学を代表する。 小説では黄表紙・洒落本・読本・合巻・滑 稽本・人情本など多彩な形態が誕生する 歌舞伎が浄瑠璃に代わって中心となる。
近代文学
近代:明治から大正後期まで 近代から小説はいつも中軸の位置を占め てきた。
近世文学
近世:徳川による江戸時代の開設から大 政奉還までの約二百七十年間 1603~1867 上方文学と江戸文学
近世時代
特色:厳しい封建的社会体制の中で、最下 層階級の町人がしだいに力を蓄え、文学 の作者・読者そして主人公として登場する ことである
上方文学
最盛期は元禄のころである。 俳諧の分野では、俳諧連歌から貞門・談 林俳諧、そして蕉風俳諧へと展開する。 小説のジャンルでは、前代の御伽草子を 受けて、仮名草子、そして浮世草子が近世 を代表する分として登場する また、浄瑠璃が、日本の演劇史に大きな足 跡を残す。
中古文学
代表作品: 989年頃 落窪物語 物語 996年 枕草子 清少納言 随筆 1004年以後 和泉式部日記 和泉式部 日記 1005年 拾遺和歌集 勅撰和歌集 1008年頃 源氏物語 紫式部 物語 1010年以後 紫式部日記 紫式部 日記 1028年以後 栄華物語 赤染衛門(あかぞめえもん) 歴史物語 1057年頃 浜松中納言物語 物語 1059年以後 更級日記 菅原孝標女(すがわらのたかすえのむ すめ) 日記 1060年以前 夜中の寝覚 物語 1063年頃 陸奥話記(むつわき) 軍記
中古文学
代表作品: 797年 続日本紀 菅野真道(すがののまみち)ら 歴史 807年 古語拾遺 斎部広成(ひんべのひろなり) 歴史 814年 凌雲集 小野岑守(おののみねもり)ら 勅撰漢詩集 817年 文華秀麗集 藤原冬嗣(ふじわらのふゆつぐ)ら 勅撰漢詩 集 827年 経国集 淳和天皇勅令 良岑安世(よしみねのやすよ)ら 勅撰漢詩集 840年 日本後紀 藤原緒嗣(ふじわらのおつぐ)ら 歴史 869年 続日本後紀 藤原良房(よしふさ)・春澄善縄(はるずみの よしただ)ら 歴史 905年 古今和歌集 醍醐天皇勅令 紀貫之・紀友則(きのとも のり)ら 勅撰和歌集 910年以前 竹取物語 物語 935年頃 土佐日記 紀貫之 日記
奈良時代
奈良時代:平城京遷都の和銅三年から平安京 (今の京都)遷都の延暦十三年(794)まで 特徴:中国から輸入された漢字が、実用化されて、 文字が使われるようになり、皇室や民間に伝承さ れてきた神話・伝説・説話・歌謡が国家事業とし て編まれた『古事記』『日本書紀』『風土記』に取り 入れられた。また、漢字の影響を受けて『懐風 藻』が成り、集団的な歌謡ばかりでなく、個性的 な变情詩も収めた『万葉集』が成る。
中古文学
中古:平安京遷都から、源頼朝が鎌倉に 幕府を開くまでの約四百年間 794~1192 平安時代とも呼ばれる
中古時代の初期
九世紀中ごろまで 特徴:唐風文化を尊重して、漢詩文が盛ん に作られており、『凌雲集』『文華秀麗集』 『経国集』などといった勅撰漢詩集が撰進 された
九世紀末には
中世文学
代表作品: 1223年以前 海道記 未詳 紀行 1235年 新勅撰和歌集 後堀河天皇勅令 藤原定家 勅撰和歌集 1237年以前 正法眼蔵随聞記 道元 仏教 1242年以後 宇治拾遺物語 説話 1252年 十訓抄 六波羅二臈左衛門入道 説話 1254年 古今著聞集 橘成季 説話 1271年 風葉和歌集 藤原為家(?) 物語歌集 1279年頃 十六夜日記 阿仏 日記 1283年 沙石集 無住道暁 説話 1312年 玉葉和歌集 伏見院勅令 京極為兼 勅撰和歌集 1330年頃 徒然草 兼好法師 随筆 1350年以前 太平記 軍記 1356年 莵玖波集 二条良基 准勅撰連歌撰集
第一讲
日本文学概観
上代文学
上代:文学史では文学の起こりから、794 年、平安京に遷都するまでの期間。 大和時代と奈良時代からなる ?~794年
ቤተ መጻሕፍቲ ባይዱ
大和時代
大和時代:大和朝廷のもとにほぼ日本全 国が統一されるようになった頃から平城京 (今の奈良)遷都の和銅三年(710)まで 特徴:労働とか信仰とか祭祀とかなどの集 団生活と深く結びついたところで生まれ出 たものであり、まだ文字に記されていない で、一族の子孫へ伝承・保存された、口承 文学の時代である。祝詞・神話・伝説・説 話などがある。
中古文学
代表作品: 1080年頃 狭衣物語 六条斎院宣旨源頼国女 物語 1086年 後拾遺和歌集 白河天皇勅令 藤原通俊 勅撰和歌集 1104年頃 江談抄 大江匡房 説話 1120年頃 大鏡 未詳 歴史物語 1120年頃 今昔物語集 未詳 説話 1127年頃 金葉和歌集(三奏本) 白河法皇勅令 源俊頼 勅撰和歌集 1151年 詞花和歌集 崇徳上皇勅令 藤原顕輔 勅撰和歌集 1170年 今鏡 藤原為経(寂超) 歴史物語 1179年頃 宝物集 平康頼 説話 1184年 梁塵秘抄 後白河天皇 歌謡 1188年 千載和歌集 後白河法皇勅令 藤原俊成 勅撰和歌集
中世文学
隠者(草庵)文学:次々と新仏教が成り、法 然・親鸞・日蓮・道元らの仏教が人々に広 まり、それは文学の上にも多大な影響を与 えた。仏教的な無常観から人生・社会など を見つめた『方丈記』『徒然草』という隠者 (草庵)文学も生み出されていく。
中世文学
また、幕府が鎌倉にあったために、『十六 夜日記』(いざよい)『海道記』『東関紀行』など の文学もなった。